SSブログ

イタリア旅行道中記 ~モンタルチーノ~ [旅行]

2008年7月15日。

Veneziaの後、Firenze、Vinci、Collodi、Pisa、San Gimignanoと色々と寄りました。色々書きたいこともあるけれど、それは後回しにして書きたいことが。Sienaに3泊したんですが、とうとう来てしまいました、

モンタルチーノ!

下の写真の山というか丘のてっぺんがモンタルチーノの中心部。その周りにBrunello di Montalcinoを生み出すサンジョベーゼ葡萄の畑が広がっているのです。 この写真では葡萄畑は見えないけれど。。。

Montalcino hill.jpg

自分の本格的なBrunello di Montalcinoとの出会いは10年以上前。友人のB君がイタリア旅行のお土産にと、CastelgiocondoのBrunello di Montalcino 1993を買ってきてくれたのがきっかけです(実は1993はCastelgiocondoのBrunelloの中でもかなりいいヴィンテージ)。その厚いボディと果実の香りのバランスは、それまでイタリアワインをちょっとばかり下に見ていた自分に衝撃を与えました。それからはイタリアレストランで赤を注文するときには、まずはBrunelloがある頁から見るようになったのです。

今回は特にMontalcinoに行きたいと思って旅程を立てたわけではなかったのですが、Sienaでゆっくりするついでにワイナリーにでも行きたいなあ、と思って地図をみたら、なんとMontalcinoはSienaのすぐ近くではないですか!っていうかMontalcinoはSiena県の一部なのです。これは行かずにはデンマークには帰られないということで、丸1日をMontalcino観光にあてたのでした。といってもワイナリー見学はたいてい予約が必要。ホテルの予約を1週間前に予約しているような人達が行きたいワイナリーにいけるのだろうか。。。と心配していましたが、運良く3つのワイナリーを訪問することができました(本当にいくつもの運が重なって実現したのでした)。残念ながらCastelgiocondoには行くことはできませんでしたが、素晴らしいワイナリーを訪問することができました。

まず最初に訪れたのが、ここ。

Biondi Santi.jpg  

知る人ぞ知る、Biondi Santiです。そう、現在の形(?)のBrunello di Montalcinoを生み出したのが、このワイナリーオーナーの先祖にあたるFerruccio Biondi Santiさんなのです。ただ生み出したというだけではなく、このBiondi Santiは昔も今も最高のBrunello di Montalcinoを生産し続け、Wine Spectatorが20世紀最高のワイン10本に選んだ内の1本が、このBiondi SantiのBrunello di Montalcino Reserva 1955だったのです。まあ1955年のワインなんで我々庶民の手にはなかなか入りませんので、口にすることは出来ませんがね。ワイナリーツアーの最後にしっかりワインの試飲もさせてもらいました。Reservaでなく2001のAnnataでしたが、そのプラムのような香りに一瞬頭がフラリとしました。自分は素晴らしいワインを飲むと、クラっとするのです。たまらずお土産に2本ほど購入しました

短い滞在でしたし、他の訪問者も10人位いてあまりゆっくりはできませんでしたが、Brunelloの産みの親ようなBiondi Santiを訪れることでBrunello di Montalcinoの歴史に少しだけ触れることができ、ちょっとした感動を味わいました。

Biondi Santi house.jpg Biondi Santiさんのワイナリーの建物の一部。

 

さて、その次に訪れたのは。。。

Poggio Antico.jpg

Poggio Anticoさんです。ここにはワイナリー見学ではなくランチを頂きにやってきました。青空の下、葡萄畑を見下ろす中庭でゆっくりランチをとり、「夏休み満喫感」が最高潮に達した瞬間でした。もちろんPoggio AnticoのBrunello di Montalcinoもしっかり飲みました。Biondi Santi他伝統的なBrunello Montalcinoのワイナリは、樽香などを移さずに葡萄本来の香りを最大限に利用するためスロベニアのオークを使うそうなのですが、ここPoggio Anticoではスロベニアオークを使う通常のBrunello di Montalcinoと樽香が移りやすいフレンチオークを使うBrunello di Montalcino Alteroの両方が存在しています。ランチの際にはこのAlteroの2001を頂きました。って、実は飲んでいるときはそんなことは露知らず、次のワイナリーさんで昼食の話をしたときに、Alteroがフレンチオークを使っていることを知ったのでした。いやはや。。。

Poggio Antico wine.jpg

ところで、このPoggio Anticoのレストランで出会いがありました。ギャルソンの一人がずいぶん陽気な方で色々と話をしていたら、「ここのレストランのスーシェフは日本人なんだよ!」とのこと。「あ、そうなんですか。。。」なんて軽く対応していたら、食後でのんびりしているところへその日本人シェフの方がテーブルまで来てくださったのです。ちょうど奥様とお子様もいらっしゃっていたようで、ご家族と色々な話をさせて頂きました。Montalcinoに来てもう12、3年経つそうです。こんな素晴らしい景色のMontalcinoで生活できることに羨ましさを覚えるとともに、イタリアのようなちょっといい加減な国で、しかもMontalcinoという小さな街でたくましく生きている日本人の方を側に感じて、元気と勇気を分けて頂いた気がしました。

Poggio Anticoですっかりゆっくりしてしまった後に向かったのは、Altesinoというワイナリーです。ワイン作りを始めたのが1970年代とのことですので、若い部類に入るのではないでしょうか。実はこのAltesinoという銘柄は聞いたことが無かったのです。前日にSienaのオステリアで夕食をとった際にワインリストにAltesinoの名を見つけ、唯一リストにあったAltesino Reserva 1991(写真)を飲んだら。。。クラっと来てしまったのです。そのアロマ、酸味、渋みの一体感、そして自分の大好きな「きれいな」ワイン。ほぼ完璧な赤ワインでした。ということで前日に「予習」をしていったので、非常に楽しみにしていたのでした。

Altesino Brunello.jpg

ワイナリーの案内はインターンシップでウィーンから来ているという若い女性で、若干知識も不足していたようなので、教えて頂くというよりは、楽しく会話をしながら見学をしました。自分達夫婦2人だけだったということもあり、後で経験のある女性が来てからは、ワインの試飲そっちのけで、世間話に花が咲いてしまいました。その経験のある女性が以前コペンハーゲンに17年間!も住んでいたということが判明してから、話はとどまることをしらず。いつの間にか1時間以上話をしていたようです。ということでワインに関して書くことがほとんど無いのですが、とにかく楽しい訪問でした。ここでもしっかりBrunelloを購入しました。下の写真はAltesinoさんの葡萄畑の一部です。

Altesino vneyards.jpg

こうしてあっという間に終わってしまったMontalcino訪問。あっという間ではありましたが、Brunello di Montalcinoの歴史に触れ、Montalcinoで奮闘する日本人に出会い、Montalcinoの人の暖かさに触れ、そしてそのワインの産まれた土地で最高のBrunello di Montalcinoを飲み、全く心残りのない1日でした。

これからBrunello di Montalcinoを口にするときには、いつものようにクラッとした瞬間、この日のMontalcinoの光景が目に浮かぶのでしょう。


nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。