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コーヒーのある生活 [食]

2008年1月3日。

コーヒーが好き。振り返ってみると、コーヒーは人生の色々な場面にいた。

コーヒーを飲み始めたのは会社に入った時。インスタントコーヒーだった。ネスカフェゴールドブレンドだ。目的は頭を覚醒させるためでしかなかった。ちっとも美味しいとは思っていなかった。

その後、下北沢のとある喫茶店(今もあるのだろうか?)で美味しいコーヒーに出逢った。「何だこれ!」と感動した。香り高く、酸味と渋みのバランスのあるあのコーヒーの記憶は今でも残っている。これが全ての始まり。

収入が出来て、入る喫茶店やレストランの選択肢が大きく広がったのが大きかった。そのコーヒーに出逢ってからすぐに、あるレストランで素晴らしいブルゴーニュ赤ワインに出逢ってしまい、ワインにはまってしまった。そしてフレンチレストランやイタリアンレストランに通うようになり、またそこで絶妙な苦みと香りのエスプレッソに出逢う。それから十何年間、外食後のコーヒーは決まってエスプレッソだ。

すぐに自宅に豆挽き機を買った。豆の挽き方や豆の善し悪しを知りたくて手動にした。イギリス製で、鉄か真鍮に真っ黒な分厚いコーティングをした、とっても重くて安定感のあるグラインダーだった。豆の選び方や挽き方は懇意にしていた喫茶店のマスターに教えてもらった。ちょっと状態の悪い豆でも苦みを抑える方法があるのは、今でも周りの人には秘密にしている(コーヒー好きの人には常識かもしれないけど)。豆を挽いたあとのおまじないだ。そういえば、デンマークに移り住んで、そのグラインダーを取り付ける場所が無く、思い切って捨てたのだった。もう錆も出始めていた。約15年使った。お疲れ様でした。

その豆挽き機を買った頃、衝撃的な出会いがあった。ブルーマウンテンだ。名前は知っていたし、喫茶店で飲んだこともあった。ただ高いコーヒーだと思っていた。ところが、とある機会に海外で最高のブルマンを飲んでしまった。その時の香りも今でも覚えている。その後、1年くらいは家で飲むコーヒーは決まってブルマンだった。なぜ1年かというと、日本では良い豆が買えないことが判ったから。一所懸命探したのだが、いくら金を出してもあの感動的ブルマンには似ても似つかぬものだった。探すのを諦めようと考えていた頃、ちょうどジャマイカに旅行に行く人がいて豆を買ってきてもらった。素晴らしいブルマンだった。ここで探すのは諦めることにした。例のマスターに聞くと、日本には良い豆はなかなか入ってこず、アメリカと欧州に流れてしまうとのことだった。ずいぶんがっかりした。当時はまだインターネットを使う人が少なくて、ネット上で商品を探すことはほぼ不可能だった。今だったら事情も違ったのかもしれない。そういえば、今、その欧州に住んでいる。しかもデンマーク。コーヒーの国民一人あたり消費量が高く、近年はバリスタ世界チャンピヨンを何人も送りだしている国だ。そういえばこちらでブルマンを探すことなどしていなかった。週末にちょっと探してみようと思う。

エスプレッソを家で上手く作れないかと思ったこともあった。今でこそ、色々な種類のエスプレッソメーカーが店頭で売っているが、当時は店頭には売っていなかったように思う。それか、自分の収入では変える値段ではなく、目に入ってこなかったのかもしれない。結局、有名なアレッシの火にかけるタイプのエスプレッソメーカーを買ったのだが、よく考えればあれではなかなか本格的なエスプレッソは作れない。圧力が上がらないからだ。しばらく家でエスプレッソを作るのは諦めて、レストランでのみ飲むことにしていた。

 そうこうしている内に、スターバックスが流行りだし、昔からあったドトールなんかも頑張り始めて、コーヒー文化が日本に根付き始めたように思う。でも自分はスタバとかはあまり好きじゃない。自分にとって、あれは覚醒系コーヒー。香りや味を楽しむコーヒーじゃない。スタバ系の良いところは、沢山の種類のコーヒーがある所か。妻はスタバが大好きだ。アイスやクリームが入っているタイプのものを好んで飲んでいるようで、自分も便乗して飲むのだが、デザート感覚、お菓子感覚で飲むには良い。

4年位前からか、自宅でコーヒーを飲むことが極端に少なくなった。そして一昨年デンマークに赴任してきてからも、コーヒーのある生活が消えていた。ところが昨年、コペンハーゲンのとあるキッチン器具屋さんで有名所のエスプレッソメーカーがずらりと置いてあるのを発見。SaecoとかDe Longhiとかascasoとか。毎朝気軽に飲むのに。。。ではなく、本当は自分でなく妻に毎朝エスプレッソをいれてもらうために、自動タイプが欲しいなあ、と思っていたのでSaecoを狙っていた。だがなんとなく家のカラーコンセプトとSaecoのデザインがマッチしなかった。ところが、見たことも聞いたことも無いメーカのマシンが目にとまった。その名もKRUPS。「クラップス? 綴りを間違えたら大変な名前だな。。。」と思いながら家に帰ったのだが、あのデザインが頭から消えないでいた。数週間後同じ店に入ったら、なんとsale期間中。「ああ、もう我慢できない!」と買ってしまったのだった。

写真がそのKRUPSのマシン。KRUPSにも沢山種類があるのだが、このタイプがお気に入り。知らないメーカーだったので調べてみると、ドイツ発祥のメーカーらしい。彼ら曰く世界で始めて電動式コーヒー豆グラインダーを商品化した会社だそう。現在はフランスのメーカ傘下になっているもよう。

使い方をマニュアルで読み始めたら、水の硬度を測れだの、最初のメンテはこうしろだの、クリーニング用のタブレットや水フィルターを買えだの、面倒なことが沢山書いてあったので、数ヶ月放置してしまっていた。だが思い切って使い始めた昨年秋からはほぼ毎日お世話になっています。最初はエスプレッソばかり飲んでいたけれど、最近はカプチーノを入れることが多い。まあカプチーノかカフェオレかカフェラテか、は怪しいのだが。。。そして目論見通り、朝は妻にエスプレッソを入れてもらっている(毎朝ありがとうございます!)。自分で煎れないのに美味しいエスプレッソが家で出てくる、というのはなんとも幸せなものだ。

自分で煎れるコーヒーのある生活。自分は大好きです。ゆったり、しっかり生活している気分がします。

カプチーノ作り中。。。


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