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Politiの洗礼 [コペンハーゲン]

2007年5月12日。

警察と聞くと、ちょっと緊張しませんか?え、僕だけ?

デンマークでは警察のことをPolitiと綴ります。ちなみにPoliceっていう言葉もあって、これはPolicyです。一度forsikringspoliceという手紙が家に来まして、翌日デンマーク人から「保険会社から送られてきたInsurance policyだよ」と教えられるまで、「もしかしてスピード違反とかの通知が来たんじゃないか?」と、ちょっとビビッていました。その後に本物が来るとも知らず。。。

デンマークに赴任したての頃(7ヶ月前)、自分の車を発注して納車されるまえ、レンタカーに乗っていました。Peugeotの407。絶対自分で買う場合に選ばない車というかメーカーだったので、とても良い経験になりました。でPeugeotを見直したかというと。。。自分とはご縁が無いようで。

最初の洗礼は、Peugotに乗り始めて2週間後にやってきました。日本から出張でやってきた人を乗せてホテルに到着し、一緒に食事をしようとホテル前の駐車場スペースのような所に駐車したのです。ゲートがあるような有料駐車場ではないので、有料なのか無料なのかもわからないまま。それまでの2週間も色々な駐車場に停めた経験があって、駐車場入口に何か書いてあるんだけど、デンマーク語だから有料なんだか無料なんだかわからない。特にゲートも無いし、駐車券を買うような機械も無い。なのでとにかく駐車して、用事が済んだらすぐに去る、ということを繰り返していました。とくに問題はありませんでした。だからその日も大丈夫なはずでした。

食事の途中もなんとなく気になって一度車を見に行ったのですが、特に変わった様子はなく、その後は皆との会話と食事を楽しんでいました。3時間くらい経ってからでしょうか。車に戻るとワイパーの所に何かの紙が挟まっていたのです。デンマーク語はわかりませんが、Parkingという言葉と510kr、すなわち510デンマーククローネ(デンマークの通貨で、今は1クローネ=20円くらい)と書いてあるのです。

え?罰金?警察?う~ん、politiって言葉は無いし、なんなんだろう?ととにかく紙は持ったまま帰りました。そして翌々日会社に出社してデンマーク人D氏にその紙を見せると、間髪入れず

D氏「おお!やっちゃったんだね、おめでとう!これは駐車違反だよ。」
自分「え?警察?」
D氏「警察じゃなくて、警察から委託を受けて駐車場管理や駐車違反取り締まりを業務にしている会社」
自分「罰金を払えばいいの?おとがめはあるの?」
D氏「それは大丈夫。軽いものだからね。銀行か郵便局に行って、紙を出せば支払えるよ」
自分「え、銀行で?」

その日さっそく銀行に行って窓口で紙を見せて払おうとすると、銀行窓口の女性が一言。

「Welcome! 金のなる木が来たわね」

銀行で罰金を支払うと、銀行はその処理だけで手数料600円くらいをもらえることになっているので、銀行にとって罰金支払いは金のなる木みたいなものなのだそう。ちなみ後で知ったのですが、郵便局で払うと手数料は450円くらいらしい。その辺は日本もデンマークもあまり変わらない感じなんでしょうね。

さて、問題はここから。後々、ホテルのその場所は許可無く車を駐車してはいけないスペースだったと知ったのですが、それとは別に駐車に関する自分の知らないデンマーク人の常識があったのです。それはこれ(下の写真)。言われてみれば、デンマークの車はどの車にも時計みたいなシールが貼ってあるのです。しかも助手席側に。レンタカーを借りたときには存在にすら気付いていませんでした。駐車違反の話をしているときにD氏が「車のフロントウインドーのタイマーのことは知っているよね?」と聞いてきたときには、自分の頭の上には?が。

   

これは何かというと、自分が駐車した時間を針を動かして他者にわかるように示すのです。実はデンマークでは繁華街を除いては、ほとんどの道や駐車場が無料なのです。しかし停めたい放題かというとそれはNG。そんなことしたら、長期間駐車する車や、自宅駐車場に利用してしまうような車だらけになってしまいますからね。そういった場所にはたとえば「2timer」といった表示があって、これは「2時間駐車無料」ってことを示しているのです。で、どうやって管理するかというと、駐車する人は駐車した時間をみて、針をあわせます。針の合わせ方にはルールがあって、14時40分だったら次のクォータである14時45分にあわせます。14時46分だったら15時に合わせる、といった具合です。上の写真は(ちょっとずれちゃってるけど)14時45分にあわせたつもりの写真です。

さて、2時間無料の所では、16時45分まで無料なわけで、これまでに帰ってきて車を動かせばOK。しかし16時45分を過ぎても車がそこにあったままで、運良く(運悪く)駐車違反取り締まり業務会社がチェックしにきてしまうと、510クローネ請求の紙が挟まれてしまうという仕組みです。ちなみに16時40分に一回帰ってきて16時45分に針を合わせれば、18時45分まで無料ということになります。ところがこれはシステムの穴ではなく、本当にOKなのです。つまり2時間毎に帰ってきて針を再度合わせに来れるような所にいるのであれば、駐車してもいいよ、ってことなのです。そこはデンマークの懐の広さというか、現実的なところというか。なかなか良いシステムだと思いませんか?

繁華街にはゲートのある有料駐車場があったり、路上には駐車券発売機があって、停めたい時間分のチケットを買って例の時計シールの下あたりに券を置いておくシステムになっています。

でも、デンマークって良い国だなあ、と思うのは、ゲートのある有料駐車場や道路上の有料駐車のほとんどが日曜祝日は無料になるのです。いやはや、本当に懐の広い国だと思います。

話が長くなってしまいましたが、2つ目の洗礼はきつかった。今度はpolitiの洗礼です。日本出張から帰ったある日、郵便受けをあけると一通の白い封筒が入っていました。中を開けると。。。

なんと!

Politiのマークの入った手紙に何か書いてあります。デンマーク語はわかりませんが、50km/hとか58km/hとか61km/hとか書いてあります。

そして極めつけの2枚目は、Peugeotのナンバープレートの写真と、しかめっ面で運転している自分の顔写真。

どこをどう考えても速度違反の通知。日本で言えばオービスの速度違反写真が来たようなものです。日本では駐車違反以外に違反になったことなんて無いのに。。。

どういうことだったかというと、50km/hの速度制限の道で速度違反取り締まりをやっていて、僕は61km/hで走っていたとのこと。で、速度計の誤差は最大でも3km/hなので、「貴方は少なくとも57km/hで走っていたので、速度違反です。510クローネを払ってください。」ということなのです。

また510クローネ!!!!

この後にデンマーク人のD氏やJ氏に教えてもらったのですが、デンマークでは、特に市街地では速度違反にはうるさいのだそうで、制限速度を絶対に超えてはならないとのことなのです。これって当たり前と言えばあたり前なのですが、日本人の感覚では、一般道では制限速度など見ずにその場で適切な速度を出してしまいますよね。仮に制限速度40km/hなんかで走ったら、後ろは大渋滞になってしまって、クラクション鳴らされること間違い無し。

でもこの後、よく観察していると、95%の人は本当に制限速度を守って走っています。50km/hの場所ならメータを見ると、ぴったり50km/h位で走っているのです。でもこれでも全く問題にならなかったり、コペンハーゲンで渋滞を滅多にみないのにはワケがあります。列挙してみると。。。

・市街地で歩行者や自転車の多い道路は50km/hや60km/hっていう制限速度だが、市街地を出ると一般道でも70km/hや80km/hという速い制限速度になる。
・高速道路に至っては110-120km/hとどこも速め。ちなみに当然すべてフリーウェイです。
・たいていの交差点の信号が30秒以内で変わるので、交差点渋滞が無い。
・ほとんどの交差点に右折と左折に専用レーンがあるので、交差点渋滞が無い。

などなど。渋滞は無いし、信号でイライラすることもないし、大抵の場所に予想時間通りに着くし、車の運転は本当に楽です。制限速度を守らなければならないことに神経を使うことを除けば、ですが。。。でも最近はずいぶん慣れてきて、制限速度で走る術を身につけました。やっと一丁前のドライバになったということでしょうか。

ドライバといえば、今はまだデンマークの仮運転免許証で運転をしています。実はデンマークで運転免許証と取得するのは大変で、これはまた今度blogにアップしようと思います。

2回もpolitiの洗礼を受けてしまった自分。3回目は無いように、良き市民になりたいと思います。でもやっぱりpolitiが目の前に現れると緊張しますよね。

緊張のあまりカメラを持つ手が震えました。(もちろん停車中の撮影です)。日本でいう白バイです。ヨーロッパらしく、BMWのバイクに乗っていました。でも日本の白バイの制服の方が格好いいかな。


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コメント 2

はじめまして!
Politiってなんて発音するんですか?
デンマークにいったときに、警察ってPolitiなんだ・・・
ポリティ?かわいーと(笑)ポリティじゃないですよね

あとはbussは最初衝撃的でした。
by (2007-05-13 20:46) 

UD

Junkoさん、コメントありがとうございます。僕はデンマーク語話せないので本当のところはわかりませんが、少なくとも自分は「ポリティ」と読んでいて、かつデンマーク人にそれで通じています(英語で話しながら、policeのことをわざとpolitiと言っているだけ)。自分が一番衝撃的だったのは、Applesinがりんごではなくorangeだったってことです。
by UD (2007-05-19 05:17) 

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