SSブログ

八幡浜の夏 [旅行]

2005年8月9日~10日。
1週間前のことです。愛媛県八幡浜に突然旅行に行ってきました。突然の旅行決定、普通では経験できない体験、きれいな海と空、沢山の思い出が出来たので記しておこうと思います(ちょっと長いかも)。

話は8月8日の夜に遡ります。渋谷のビストロ"Concombre"で友人と夕食を共にしていました。この人は某会社で食材の通信販売を担当していて、年中国内の生産者の所を回っているバイタリティあふれる人です。その友人が翌日愛媛の八幡浜に取材に行くというので話を聞いていると、漁師さんと鯵(あじ)漁(実際には釣り)をするというのです。なんと羨ましいことか。友人は「ついて来れば?」と。普通なら社交辞令で「今度是非。」と終わる話です。

でもここで、ふと思いました。今日仕事が一段落して、明日はお休みをもらっている。明後日も多分休める。それにちょっと前にかなり凹むことがあって、心機一転したい気分だ。。。えいや! 勢いで本当に行くことし、その場でi-modeで航空券の予約と決済もすませてしまったのでした。なんと飛行機離陸の12時間前のこと。

後で聞いたのですが、この友人、僕がチケット決済を済ませていたとはいえ、来ない確率が高いとふんでいたらしいのです。まあ飛行機が午前9時に発つというのに一緒に午前2時まで飲んでいたことがその理由かもしれませんが(笑)

松山空港には午前11時頃に到着。松山空港に飛行機が降り立つ前に山の形を見ていると、「ああ四国に来たんだな」という感慨がありました。四国の山の形って一つ一つが独立していて、富士山型をしている山が多いと思いませんか?自分だけかな、そう思っているのは。。。

友人の運転するレンタカーで走ること1時間ちょっと。八幡浜に到着しました。小さな漁港と、急な斜面にみかん畑をかかえる山々に囲まれた、小さくて、ゆったりとした田舎町です。

友人の取材同行という形にしないと生産者の方々の所に一緒に行けないので、自分は取材同行カメラマンということにしました。一応高価なレンズを装着した一眼レフとデジカメとビデオカメラは持っていたので、見た目はカメラマンそのものだったと思います。それに結局は本当にカメラマンの仕事をして、帰京翌日にはカメラデータを友人に渡したので、しっかりカメラマンとしての役割が果たせたのではないでしょうか。

最初に訪れたのは、和菓子屋さん。ここは今では珍しい、自家製餡を使用するお店だそうで、餡や饅頭を作っている所を見学、いや取材させて頂くことに。作りたての薄皮饅頭はもちろん美味しかったのですが、働いているおじいさん、おばさん、おじさん達の心のなんとも温かく、優しく、広く、朗らかで健やかなことか!自家製餡と生産者の方々の気持ちのこもった和菓子は、決して洗練された味ではないですが(洗練される必要はないのです)、日本人の心を落ち着けてくれるモノでした。このBlogでは生産者の顔は出せないので、小豆を煮ているところの写真でも。

この日の夜、明日の釣りでお世話になる、魚の仲介業会社の方などと宴を持ちました。友人、自分、魚の目利きのIさん、東京の有名レストランなどにも魚を入れている営業のKさん、じゃこ天の製造販売をしているお店のT夫妻の6人です。食べるのはもちろん、鯵、鯛、赤烏賊、うちわ海老など八幡浜漁港であがってくる新鮮な海鮮ばかり。脂ののった岬鯵や味の濃いうちわ海老など美味しいものばかりで、食べるわ食べるわ。でも、魚の目利きさんの前で食べるのは、なんかお寿司屋さんで食べているみないな変な緊張感がありました。新参者の自分がいるのに宴は大変盛り上がり、ビール、焼酎、日本酒があっという間に無くなって10時には僕はホテルに帰って寝ることに。

自分って昔は人見知りだと思っていたのに、いつの間にか初対面の人たちとでも、まるで古くからの知り合いのように心を通わせ、杯を交わし、大声で笑って楽しめるようになってる。人間って変われるものなのか、それとも元々自分はそういう人間だったのか。いずれにせよ、そんな自分だから今回の取材同行が成しえたのだと思います。友人だけでなく自分の性格に感謝!

2日目の朝。昨夜のお酒が残っていてなかなか起きられなかったのですが、友人からの携帯メールで目が覚めました。なんと市場のせりを見に行くとのこと。自分は結局市場には行きましたが、時間が遅く、せりは終わってしまっていました。一般の人は入れないらしく、行けば入れてくれたようなので、とても惜しいことをしました

気をとりなおして、いよいよメインイベントの鯵釣りです。セミプロの漁師さんの小さな漁船で近くの島の近くまで行き、錨を降ろして鯵釣りをしました。竿で釣りをしたことはありますが、竿無しでライン(糸)だけで釣りをするのは初めての経験。魚群レーダで鯵のいる深さをチェックして糸の長さを決め、餌(鰯のミンチにシラスを加えたもの)をおにぎり1個分くらい詰めた網の筒とともに釣り針を落とします。決めた水深(確か35mくらいだったかな?)で糸を数回揺らして餌を魚群の間にまき散らし、魚達が餌に食らいついているところへ筒よりも深く沈んでいる釣り針を魚達が群れているだろう所へ上げてやると、鯵が間違って針を食べてしまうという方法です(勉強になった!)

さらに勉強になったのは、釣った魚を針からはずすときに魚を触ってはいけないらしい!人間の体温は魚より全然高いので、触った場所から変質を起こしてしまい、商品価値が無くなってしまうのだそうです。では、どういう風に針をはずすかというと。。。↓ わかるかな?

時間の都合もあり、漁港を出て帰るまで2時間くらいの短い時間でしたが、天気はいいし、風が通って暑すぎることもなかったし、1時間で3人で(糸は1本)41匹釣ったし、鯵釣りを満喫して帰ってきました。セミプロ漁師さん、魚仲介会社の方々本当にありがとうございました。

松山空港までの移動時間を考えても時間に余裕があったので、内陸を通る高速道路は使わず、海沿いの「夕やけ子やけライン」を通って帰ることにしました。天気はいいし、車は少ないし、道が走っている崖がワインディングしているので絶景の連続だし、たまにだーれもいない砂浜が現れるし、で帰りのドライブだけでももう満足。50m以上の断崖絶壁をおりて行った人一人いない砂浜の写真です(よーく見ると、実は1人他の人がいたのですがね)

そして最後に夕焼け。その名も「夕やけ子やけライン」のあたりからキレイであろう夕焼けを見たかったのですが、夕暮れを待っているとフライトに間に合わなくなってしまうので、松山空港近くの堤防に行って1時間くらい日が沈むのを見ていました。とってもゆっくり時間が流れていって、心が癒されていくのを感じました。

とても濃密な素晴らしい2日間でした。それもこれも、仕事だというのに僕を同行させてくれて、絶対に自分では体験できない経験をさせてくれた友人のおかげ。本当に心から感謝しています。ありがとう!


nice!(1)  コメント(3)  トラックバック(0) 
共通テーマ:旅行・地域(旧テーマ)

nice! 1

コメント 3

boribori

充実の旅行だったようですね!
やっぱり、大好きなことや専門の仕事を本格的に楽しみ、追求し、自分の仕事や趣味に誇りを持ってる人ってイイですよね。職種や種目が違っても、そういう人とは通じるものがありますよね。
UDさん自身も自分の専門分野については第一人者であり、こだわり派だからこそ、違う畑の人とも共感し合えるのでしょう。
by boribori (2005-08-17 20:46) 

misatot

すごーい!いいなー♪
こんなすごい経験ができるUDさんの縁・運・etc…にniceつけちゃう!
UDさんだから誘ってくれたんですよ、きっと!
by misatot (2005-08-22 00:23) 

UD

boriboriさん、misatotさん、ありがとう!
人生で大切なものはいくつかあると思いますが、その一つは友人であることに間違えはないですね。
by UD (2005-08-22 07:24) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

たまには日記ビストロ ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。